コンプレックス・エイジ(紹介)
2015 / 06 / 28 ( Sun ) 22:33:12
佐久間結衣『コンプレックス・エイジ』(モーニング/講談社)

モーニングで2015年の6月頭まで連載されていた漫画です。単行本は現在4巻まで刊行中です(2015年6月現在)。

この漫画はコスプレをテーマとしています。主人公の片浦渚は26歳の派遣社員で、趣味はコスプレ。マジカルずきん☆ウルルという漫画内の架空のアニメの主人公、ウルルのコスプレに血道をあげています。彼女のコスプレの信念は「完璧」です。衣装のちょっとした柄、素材や、キャラのポーズ、何から何まで完璧にコピーしなければ気が済まないくらいです。そんな彼女が、コスプレの世界に身を置く中で、周囲の目線など様々な問題にぶつかっていきます。そして、その問題と戦っていく物語です。「楽しめ。血を流しながら。」1巻の帯にはこう書かれていますが、まさに「血を流す」ような戦いと、それでも「楽しむ」コスプレへの愛の物語です。

さて、今、「血を流しながら」という帯の言葉を引きましたが、この漫画の魅力はまさにここにあると思うんです。コスプレで完璧を目指す中での苦悩、世間の冷たい目、主人公渚は血を流していく、その姿を徹底的に描いていきます。その徹底ぶりがもう読んでいる方の心をえぐってくるのです。

モーニングの公式ホームページで1話が公開されているのでそれを読んでもらえたらだいたい魅力は分かってもらえると思います。が、せっかくのtwitterなので読んでない方向けに1話のネタバレしつつも書いていこうかと。

1話では大きく3つの事が描かれます。ひとつは渚の完璧主義。ふたつめが理想と現実のギャップ。みっつめが他者という存在です。ひとつめはもう述べました。ふたつめは、長身の渚に対して、コスプレするウルルは「小さくてまんまるくて/わたしが持ってないもの全部詰め込んだ様な」というキャラであるというギャップなどです。みっつめは、そんな渚と違い、何もしなくてもウルルそっくりな人の登場です。
この3つだけで、それはもう心えぐられますが、そんな展開がどんどん押し寄せてくるのがこの作品です。

さて、このみっつですでに作品の主な要素は出そろいます。他者というのがコスプレを理解しない人になったり、理想と現実が年齢になったりと色々ありますが、この作品がどういう作品かはこれでもうわかります。
とはいえ、1巻では渚自身の問題であったものが、だんだんと渚とその周辺の人物や人間関係へと焦点が移っていきます。その中で、コスプレの様々な魅力や苦しさが描かれていきます。当然、コスプレへの強い風当たりも描かれます。「どうして……どうしてわたし達が逃げないといけないの?好きなコトをただ、本気で楽しく、やってるだけなのに」と叫び声を上げることだってあります。これらを、印象的な決めのカットを多用した力強いコマでどんどん描かれていきます。

さて、この作品の魅力は、「血を流し」それでも「楽しむ」姿です。もちろん、コスプレという世界のあれこれについて、基礎知識を学べるという面白さも有ります。ちなみに、巻末にコスペディアという形で、いろんな豆知識があったりするので、是非一読ください。その知識だけではなく、その世界に生きる人々の描写が何よりも胸を打ちます。それは「コスプレは着るんじゃなくて、まとうものだと思ってる―」という美学であったり様々です。特に、いろんなこのTLの方にはけっこうアニメや漫画好きの方もいらっしゃると思います。そういう、趣味を持っている方には絶対おすすめの作品です。1巻の帯にも「好きなものを諦められない、すべての人へ――」とあります。ぜひ、まずはモーニングの公式ホームページで試し読みをしてみてください。
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