赤髪の白雪姫(感想)その4
2015 / 08 / 17 ( Mon ) 01:06:47
あきづき空太『赤髪の白雪姫』(アニメ)(ボンズ/原作:漫画)

赤髪の白雪姫 第4話 感想 ――薬学に関わる人たち――

1.はじめに

 遅くなりましたが、毎話書いていきたいなということでアニメ『赤髪の白雪姫』第4話の感想です。一応、私事で忙しかったんですよという言い訳をさせていただきます。
 作品自体がすごく一貫性があるために、書くことは毎度毎度変わらなかったりしますが、お付き合いいただけると幸いです。そんなこんなで、5話もあるので超ざっくりと。
 それと、いつも通り他の方の『赤髪の白雪姫』の感想の紹介です。感想書いてくださる方が増えたらいいのにと切に願います。

ぱんさん(@frenchpan)ブログ「徒然ものかきぱん」より
http://www.palepalette-blog.com/entry/2015/08/13/%E8%B5%A4%E9%AB%AA%E3%81%AE%E7%99%BD%E9%9B%AA%E5%A7%AB4%E8%A9%B1%E3%81%AE%E6%84%9F%E6%83%B3%E3%81%A8%E6%AF%92

やまぬこ!さん(@yamanuko)「アニメられる日々」より
http://yamanuko.hatenablog.com/entry/2015/08/11/211115

うさペンさん(@usapen3)「うさペンの館」より ※4~6話の感想です。
http://usapen3.hatenablog.com/entry/2015/08/12/220056

2.白雪と薬学

 白雪と薬学の関わりは1話から丁寧に描かれるようになっています。原作では、タンバルンでは酒場の娘で薬剤師の仕事をしてはいるものの、実際にその様子は描かれていませんでした。それが、1話では薬剤師として働く様子、2話では薬剤師としての仕事を探す場面、3話では薬学の勉強とかなり丁寧になっています。特に、クラリネスへの思いが薬学への思いと結びついていることが注目されます。自分では手に入らない貴重な薬草や見たことのない薬草に胸を躍らせ、薬学に対してクラリネスは意識が高いんだと校異的な感情を向けます。「良い薬を作るのは良い薬草。良い薬草を作るのは良い土地」という言葉もありましたね。白雪にとっては、薬学は自分を形作るものであり、だからこそ薬学にとっていい土地であるクラリネスは良い国なのです。また、「ゼンの味方になりにくる」と誓ったからこそ、いっそう試験勉強に打ち込んでいる様子も印象的です。
 さて、4話でも白雪の薬学への思いが現れています。冒頭ではリュウを追いかけて薬草園にたどり着きますが、思わずその景観にみとれます。そして、リュウの採取している薬草を見て、思わず何の調合をしているのかを考えたりします。試験中には薬草園で楽しそうに記録をつけていますし、合格のために薬草を捨てるということを良しとしません。何より私が好きなシーンが、視察後にナナイロハとココソウを採取してきたところです。時間によって薬効が違うというところに、本当に感動したからこそ自分自身で採取してみたいと思ったのでしょう。
 薬学は白雪の中でもとても大きなものであり、薬学を通じて白雪というキャラクターが表現されることもあれば、薬学が白雪と外を結びつけることもあります。アニメでは薬学について描かれることが多いからこそ、白雪と白雪の目に映る世界がいっそう素敵なものに見えてきます。

3.リュウと薬学

 リュウに関しては大幅に変更がされているんですよね。登場シーンこそ増やしてますが、実質的にはエピソードがカットにより彼について知ることは難しくなっています。正直、アニメだけでは理解しにくいシーンもあります。たとえば、4話の冒頭で薬室に人が入ってきた時に本で顔を隠したり、白雪が竜の部屋に入った時に扉を閉めてという場面がありますが、このあたりの人を避けようとする心情が伝わりにくい印象があります。
 原作では、リュウの初登場が白雪の試験合格後であり、アニメのリュウの部屋に入るシーンに相当します。そこで白雪は初めてリュウに会います。リュウは周囲の悪評を知っており、それゆえ陰のあるキャラクターとして描かれています(毒性の研究をしているのを必死に白雪から隠そうともします)。白雪自身もそのことに気付いています。しかし、わずかな会話などから、薬学への思いを知ります。特に、部屋にユラシグレの標本を飾っていることから(アニメにも飾ってあります)、ユラシグレが好きなのかと問われると、「自分に合わない場所で育つと『花が咲かず』に毒になるところ/植物にそんな事もあるんだってそこから薬草に興味持ったから」(二重かぎは駒々真子)と答えます。そこで、白雪が飾ってあったユラシグレは「花が咲いていた」と気づきます。その後、アニメにもあった薬効のくだりが続きます。そして、城の兵士が薬をもらいに来る場面となります。
 白雪は、ユラシグレの標本から、リュウが(ステレオタイプ的な)マッドサイエンティストよろしく毒に興味があったり、実験台を探しているような人ではないというのを理解しています。その上での、「(植物の)毒素が人体には薬になる事が多いとご存知ですか」という台詞なので、アニメだと分かりにくいんですよね。リュウへの根拠のない悪評に怒ったというよりも、薬学への無理解への怒りの方がかなり大きく見えます。

4.リュウと外界

 上で書いたように、リュウというキャラクターも、薬学を通じて表されることがあります。外界との関わりも同じように描かれます。リュウが偏見の目で見られており、それを気にしているのは既に書きました。アニメではそこが分かりにくくなっている以外にも、いくつかの変更点があります。
 ひとつは素直であったり子供っぽくなっていることです。動作とか木々やミツヒデに手を焼かせているところとかがまずそうですよね。また、原作にあった陰がなくなっていること、思わず白雪の姿を見てユラシグレとつぶやいてしまうことなどがあります。
 もうひとつは外界との関わり方です。原作ほどは閉鎖的ではなかったりします。2話では普通に薬草を買いにいってますし、人目を気にしていません。何より、4話では薬学を通じて何の面識もない白雪と普通に会話をしています(その後逃げ出してますが)。その一方で、白雪に「馬鹿なこと言わないでください」と言われた際に、ゼンの評ではありますが原作では「白雪の事をわかりたい」から「白雪が怒っているかどうか確かめたい」に変わっています。閉鎖的ではないけれども、関わっていこうとすることもやや弱いといったキャラクターになっています。このあたりは今後どうなるか分からないですけどね。

5.ガラクと八房とヒガタ

 一応、今回のサブタイトルがこれなので軽く言及しておかないとと思って。ガラクさんはとにかくまともな方になっています。原作と比べたらはっきりします。ガラクさんの名誉の為にもここでは書かないでおきます。ガラクがまともになっているので、八房の影が薄くなっています。悲しいことです。
 ヒガタは原作よりも合格者が減っているので(原作では昼勤務の合格者が白雪とヒガタの二人)、きっと優秀度も増したのでしょうね(適当)。

6.まとめ

 この物語は、白雪の仕事として薬学が大きな位置を占めています。アニメでは薬学を通じて白雪やリュウについて描かれることも少なくありません。大きくいってしまえば、白雪はより掘り下げられている一方で、リュウは掘り下げられていないと言ってもいいでしょう。これまでも書いてきたように、白雪とゼンの物語に比重が置かれているため仕方ないとは思います。リュウと薬学の関わりは確かに薄くなりましたが、その分リュウが可愛らしくなったり新しい魅力もたくさんあるのでやっぱり面白いなあと。

7.おまけ

 細々としたところは別所でも書いてまして、おおよそれの繰り返しです。
 何といってもいいのは、ゼンが白雪を抱きとめる場面ですよね。カットがとても面白いなあと。画面の端に立ちつくしている白雪に、画面外から声をかけるゼン王子。二人のアップを挟んでから、再び画面の端に立った白雪を、そっと画面外へと引き寄せる流れがもうたまりません。そして、アップで映る白雪の表情がもう。このあたりは、言わなくてもきっと伝わっていると思いますが。このシーンだけでアニメ化した価値がありすぎますよ。
 そして、相も変わらずゼンと白雪の物語なんですよね。Aパートは原作とだいたい同じなのですが、Bパートは原作はあくまでも白雪とリュウの物語の割合が大きいんですよね。最後のシーンが白雪とリュウの会話で終わっていた原作を(「走ってくれてありがとう」への頷きまで)、その場にいた人々との言葉で終わらせています。特に、白雪がゼンに「そのうち一緒に見に行こう」と言う事で、白雪とゼンに物語の中心がさっと移っているように感じます。さらに、白雪が薬歴を読み終わった後ゼンが白雪に、リュウが心配していたから彼のもとへ行くように伝えるシーンも割愛されています。その他にも、ゼンと木々・ミツヒデとの会話も削られたり、白雪とゼンの世界がより多く描かれ、その中でも他者の存在が見えてこないようになる事も増えています。ゼンと白雪の世界が強化されているともいえるでしょう。ただ、白雪が薬歴を読んでいるシーンが良すぎて、4話に関してはこの方が良かったなあと。
 薬歴を読むシーンでは、白雪の声からガラクの声へと変わりますが、これはガラクが記録をしていたということなのでしょうか。白雪がゼンの薬歴を読めたのも「私の判断」があったからで、本来は白雪は読んでいいわけではありません。そんなにこだわってはないですが、薬歴に関するあれこれも気になったり。それと、ゼンを木々とミツヒデが支えるシーンが挿入されていますが、この時まだ木々はいないはずなんですよね。薬歴は13歳の時のもので、ミツヒデがゼンに仕えるようになったのが13歳の時で、木々が仕えるようになったのは14歳の時なんですよね。まあ、誕生日とかの都合で……ということはあるかもですが。あと、早くも3話から身分証の話を出してきたので4話でも出てくるのかなと思ったけど、それがないのも気になりました。
 ゼンが白雪に寝たのかと聞いたところで、ゼンの「お前時々笑ってかわそうとするよな」という台詞ですが、アニメだと愛想笑いが相当減っているのであんまりそんな風には感じないなあと思ったり。
 細々したシーンに見どころが多すぎてしょうがないのですが、原作にはない特に良かったところとしてこれまで言及していないところだと、試験中朝になって力尽きているゼン、リュウが白雪の名前を呼ぼうと頑張っているのにやきもきしているミツヒデ、リュウがゼン王子のもとに走ってくるときにさりげなく水を用意する木々、白雪を見てユラシグレと言ってしまい慌てて口もとを抑えるリュウなど列挙したらきりがないのですが素敵なシーンがたっぷりです。白雪の笑顔も割増されてて感無量ですよ。
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