赤髪の白雪姫(感想) その15
2016 / 01 / 30 ( Sat ) 18:46:39
あきづき空太『赤髪の白雪姫』(アニメ)(ボンズ/原作:漫画)

赤髪の白雪姫 第14話 感想 ――ドレスと髪飾り、そして瞳――

1.はじめに

 アニメを御覧になった方はお分かりだと思いますが、今回はオビ回です。原作組からすると、ここでオビがどう描かれるのかがとにかく気になっていました。今回は原作の第5巻収録の第19話の途中から第20話の途中です。
 ちなみに、公式ホームページに『赤髪の白雪姫』のサウンドトラックの発売などの情報も出ています。3月23日、DVD&BDの第7巻と同日発売です。曲数はおよそ40曲ということで、第2クールでは相当BGMが増えると期待が出来ます。

2.着飾った白雪

 モノローグ抜きで始まった第14話。オビが練習中の白雪に差し入れをしに行くところから始まります。ドレスを着た白雪が映し出されるわけですが、オビの軽い戸惑いも分かるような、光で真っ白の窓にやや暗めの光の中にいる白雪の印象的なカットが映し出されます(ちょっぴり第4話を想起したり)。勢いよくオビのところへ駆けていくところが、やっぱり白雪というか、自然に振る舞っているという感じがして好感が持てます。
 ここでのオビの反応と、Bパートで髪飾りを見かけた時との反応のギャップが面白いですよね。完全に目を奪われているのと、ちょっと驚きつつも「なんだびっくりした本人か」と軽い調子で言えるのと、絶対に違いますよね。軽い気持ちで贈った髪飾りだったのでしょうが、それだけにどう思っているのかも気になるのでしょうね。しかもアニメ版はOVAのエピソードが挟まれており、その時には髪飾りは付けていないのですから。
 このシーンに限らず、今回は相当白雪の見せ場が多かった回だと思います。それも、キャラクターというよりはドレスであったり髪飾りであったり。普段と違う装いや表情が映し出されて、見る人を惹きつけるようなシーンが多かったです。ダンスの仕草や足を休めている時の表情、馬車で少し不安そうに俯いたところから、タンバルンの景色に見入るシーンなんてなかなか見られないですよね。
 それでいて白雪らしさの見えるシーンもあって、特にラジ王子との対面シーンがそれです。原作の緊張した雰囲気はどこへやら、非常に落ち着いてまっすぐラジ王子を見つめて「一緒にいよう」と言えるところはらしさが良く出ています(逆に原作以上にラジ王子は気圧されています)。お試しで一緒にいようというわけではなく、きっとここから何か得られると信じているようなまっすぐな瞳が印象的です。

3.ラジとの対面

 実は、ここの対面シーンはかなり原作から改変がなされています。ラジ王子に会うまでの取次がカットされてはおりますが、これに関してはこれまでのシーンからも整合性が取れていると言えるでしょう。重要なのは、対面の場が変わっていることです。原作ではすぐに応接間に通され、小さな机を挟んでお茶をしながら二人は会話をします。しかし、アニメ版では謁見の間のようなところに通され、ラジ王子は高い所から王子の椅子に座って白雪と対面しています。二人の物理的、身分的、心理的な距離感が感じられるような構図がいくつも用いられております(二人の位置関係だけではなく、城など威圧感が出るように描かれていることなども)。さらに、これも原作にはないことですが、ラジ王子が白雪へと手を差し伸べるシーンが挿入されたことです。手を差し伸べるというのは『赤髪の白雪姫』では重要なもので、第1話(ひいては第11話)を想起させます。ただ、この場面ではラジ王子とは距離があり白雪は手を取らないし、取ろうともしないのです。ラジ王子も手を取ろうという意図はありません。音楽や鳥が飛び立つ様子などから何かが動き始めるような予感は感じるものの、やはり距離感を感じる描写です。ここから、二人がどのように手を取るかそこが楽しみなシーンなんですよ。

4.守る人

 『赤髪の白雪姫』にしては珍しく(というか初めて?)象徴的な夢のシーンが追加されています。ここではゼンの不安がはっきりと描かれていますが、その後のゼンの稽古の場面へと綺麗につながっていきます。ここで、オビの「やっぱり本心では行かせたくないんですよね」という言葉に対して、ミツヒデは「自分で守りたくてしょうがないんだろう」と返します。原作を読んでいた時からすごく面白い台詞だなあと思っていたのですが、その思いは深まりました。
 実は、初めて読んだ時はもっと白雪を信じてもいいんじゃないの、ミツヒデじゃだめなのって思っていました。もちろん、自分の手で守りたいって思うのは(物語的にも)自然な感情だと思います。ただ、あの夢のシーンで不安が強調されたことで、すごく自分の中で腑に落ちたんですよね。
 そして、このシーンは白雪とゼンの関係が変わったことが良く出ているシーンなのかなとも思うようになりました。端的に言うと、ゼンにとって白雪は「助ける」存在から「守る」存在へと変わったのだと思いました。ただ、この「守る」というのは単純な庇護ではありません。第11話で、「おまえとの出会いにかけて互いの望みを俺自身が守り抜く」とゼンは誓いました。ゼンが守ろうとしているのは、互いの望みであり、白雪と一緒にいられること、白雪との未来なのです。第10話でハルカ候が、イザナ王子に対して白雪が自分にとってどういう存在か分かれば、ゼンも白雪の守り方がおのずと分かるというようなことを言っていますが、ゼンが辿りついた守り方がそれなのでしょう(第9話でミツヒデがゼンに「守らせてください」と言ったのも、ミツヒデにとってゼンがどういう存在か分かったからこそのものであり、その存在がゼンにとっての白雪とは異なるがために、その「守る」の意味も違うのでしょう)。自分の望みだからこそ、自分の手で守りたいというのがあったのかなとも。
 これまで何度もゼンは白雪を助けてきましたが、それは単に白雪自身を守るということに重点があったのではないかと思います。第14話も同じようで、根本のところできっと違うのでしょう。アニメ版では第11話より前に原作にあった「守る」という表現が削られていることもありましたが、「守る」というのがとても重要な言葉なんじゃないのかという思いと共に、ここのシーンは非常に楽しく見ていました。

5.まとめ

 今回はオビ回だと思ったら白雪回だったというくらい白雪が相当良かったです。オビも巳早との調査の所、ゼンとの決闘、白雪に見入るシーンとか見せ場はいっぱいだったんですけど、白雪があんまりにも良すぎたんですよ。
 そして、第1話を想起させるような、手を差し伸べるラジ王子と白雪の構図です。二人が手を取り合うのが今回のエピソードの中心だということが端的に示されております。第13話はどこかピンとこないところがあったのですが、第14話はかなり分かりやすいですし、見せ場となるシーンも多くて、こちらの方が第2クールの第1話といった風にさえ感じます。ラジ王子と白雪の関係、そしてゼンやオビと白雪の関係がどのように描かれていくのか、第2クールがますます楽しみになってきました。

6.おまけ

 結構こまかなところで原作との違いがあって、ここは見たかったというところが削られたのが多かったりします。たとえば、ハルカ候と白雪たちが再会する場面ですが、ここって原作ではかなり気まずい感じで描かれるのですが、白雪とオビが一方的に苦手にしている感じになってましたね(第1クール見てない方には、気まずい感じだと分かりにくいので仕方ないとは思いますが)。それとか、タンバルンについた際に白雪が馬車から顔を乗り出すところとか、オビがハルカ候に馬から降ろされ馬車で白雪と一緒に話を聞かされているシーン、タンバルンのお城に着く直前に二人が着替えてあれこれ話すシーンなど。もっとタンバルンに向かっている時の様子とかも描いてほしかったのですが、基本的に日数を感じさせる描写はアニメではカットされているのでこれも仕方ないかなとも思います。
 白雪がラジ王子と会う時の服装が変わっているのが結構驚きなのですが、それより気になったのは城の中に入った時に胸に花の飾りがあるんですよね。最初からつけていたのかそれともラジ王子あるいはタンバルンの人に渡されたのか、知ることは出来ないのですが渡されたものだったらいいなとか妄想したくなります。
 クラリネス出発前にオビが白雪に話しかける場面がありますが、そこの変更はかなり好きです。原作だとオビは白雪の前に座り込んで顔を合わせ、どうやって自分が護衛役に決まったか聞いて、飄々と内緒と言います。これが、白雪と顔を合わせず、どこか考え込んだ表情をしていたりしていて、オビの白雪やゼンへの思いが見え隠れするようです。
 オビとゼンの決闘後、ゼンが白雪が(オビが護衛役になったことを)抗議してきても責任はとらないぞというところ、ゼンと白雪の関係は変わらないものがあるって感じていいですよね。第4話の「俺は進んで怒りを買いたくない」や、第9話の「何かあれば俺でも追い返されるぞ」と変わりません。
 イザナ王子の登場シーン、原作よりかっこつけだと思いました。
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