恋の撮り方(感想)
2017 / 05 / 27 ( Sat ) 21:37:26
たなかのか『恋の撮り方』(漫画)(電撃大王/アスキー・メディアワークス)

『恋の撮り方』第1話 感想 ――恋する瞬間――

1.はじめに

 『タビと道づれ』『伊賀ずきん』『すみっこの空さん』などでおなじみ、私が最も敬愛する漫画家のたなかのか先生の新連載です。マッグガーデンで連載して欲しかったという思いもない訳ではないですが、絶筆の可能性もあっただけにもう嬉しくて嬉しくて。今日、読める日が来たことを幸せに思うのです。

2.感想

 恋をするとカメラには
 いつも恋をしている人の姿が写るんだ

 そんな言葉で幕を下ろした第1話は、草野高校の新入生河島まもる君が、「凍てつきの女神」佐々木つぐみに恋に落ちるまでを描きます。一方で、物語の冒頭は、決して笑わない「凍てつきの女神」の銀賞受賞の後、「ほほえみ」という題の彼女の満面の笑みが写った写真が金賞を受賞します。この「ほほえみ」の謎を描いたのが第1話とも言えるでしょう。主人公がなしくずし的に写真部に入部し、そこで出会った先輩に恋に落ちる、オーソドックスともいえますね。
 作品の魅力としては、写真が本人の世界を表現したものというところでしょう。「写真だから撮った人の心も撮れているのかな/だったら僕はこの人の目で世界を見てみたいなあ」と、佐々木つぐみの撮った写真のことを、彼女が撮ったとも知らず本人の前で言ってしまうんですよね。上手いのが、この主人公の言葉が、彼の恋がカメラに写るという形で具現化されていくんですよね。世界をどのように見るのか、どう表現するのかというのは『すみっこの空さん』ではおなじみであったりするので、こういった感覚はすっと入りやすいというのもあります。
 そして、やっぱり圧倒的な見せ場にドキドキしてしまうのが最高なのです。写真なんて全然なじみのない主人公がフィルムカメラを手に取ってファインダーをのぞいた瞬間、ふいに先輩を収めてしまう。その瞬間のときめきが、見開きを使ったコマ割で大胆に表現されています。そして、ダメ押しのように、「僕は掌に/心臓をのせていたのかと錯覚した」というモノローグが描かれます。シャッターの重さや音が、心臓のような胸の高鳴りみたいに表現されるのです。

3.おわりに

 『すみっこの空さん』の作者だなあというのを感じさせるコミカルなキャラ描写、カメラを持ったら離さない「凍てつきの女神」佐々木先輩だったり、その先輩にぞっこんで望遠カメラを駆使して盗撮を繰り返す写真部部員、かわいく楽しいそんな先生らしさが満天です。
 そして、カメラと恋、どんな世界が私の目に映っているのか、これまでも先生が描いてきたものだけに、とても期待してしまいます。そして、そしてラストシーンのあれはどんな風に転んでいくのか、楽しみで楽しみで仕方ありません。
 お仕事の関係もあるのでしょう、第1話なのに24pしかないので、きっと単行本化は遅くなるでしょう。ファンの方はぜひ雑誌も手に取ってみてください。
スポンサーサイト
TB:0 CM:0 admin page top↑
<<恋の撮り方(感想)その2 * HOME * わたしと先生の幻獣診療録(感想)>>
コメントの投稿 














管理者にだけ表示を許可する

 

*Comment  Thank you*
comment
trackback
trackback URL
http://komagomamako.blog.fc2.com/tb.php/50-4ef048a6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
* HOME *