恋の撮り方(感想)その3
2017 / 07 / 27 ( Thu ) 19:58:24
たなかのか『恋の撮り方』(漫画)(電撃大王/アスキー・メディアワークス)

『恋の撮り方』第3話 感想 ――なかみ先輩のプリン――

1.はじめに

 今月も来ました!たなかのか先生の新連載『恋の撮り方』の第3話です。前回は「恋は光」から先生らしい言葉の使い方へと綺麗に流れていきましたが、今月号はどうなったのでしょう。カメラの中の先輩は、一体何なのか。今月も途中下車して『電撃大王』を買ってきました。相も変わらず中途半端にネタバレしつつ書いていきます。

2.感想

 いつもは笑顔たっぷりのカメラの中の先輩ことなかみ先輩ですが、なぜだか今日は変な表情をしている上に、つぐみ先輩も変な顔です。それに気づいた河島君(今月号では第1話と同じ「まもる」君でした)、ライカ先輩によるとこれはお腹が空いた時の顔だそうで。そうして河島君のなかみ先輩のお腹を満たす作戦の始まりです。
 とはいえ、なかみ先輩はカメラの中で、一体どうしたら先輩に食べ物を渡せられるのだろうかと河島君は悩みます。試行錯誤する彼に、ライカ先輩は言います。

 カメラが何を食べるかって?
 それはふつうに「風景」じゃないの…?

 その言葉で、河島君はプリンを綺麗に撮る事を考えます。何度もシャッターを押すも、カメラ初心者の彼にはなかなか難しく、つぐみ先輩のアドバイスでなんとか上手にプリンを撮り、なかみ先輩においしいプリンを届けるのです。

 今回は言葉ではなく設定の発想が面白い回でした。カメラの中の先輩にどうやったら食べ物を渡すことが出来るのか。写真を撮ればそれがなかみ先輩が食べられて、しかもおいしそうに写真を撮ることが出来たらその食べ物はおいしくて、おいしそうじゃなかったらおいしくない、そんな発想が光っていました。
 そして、カメラの中のつぐみ先輩はなかみ先輩と(勝手に)名付けられ、カノコちゃんよろしく変顔を見せてくれてとてもかわいいのです。元気に笑顔をいっぱいふりまくのも良いんですけど、これはこれでたまらないんですよ(つぐみ先輩も空腹で変な顔をしますが、こちらの方がまだフラットな表情なのも良いですよね)。前々から奔放ではありましたが、プリンを食べたそうにプリンの広告の幟を触ったりしているのはもっと自由だなあって。
 おまけに、なかみ先輩が河島君とコンタクトを取るようになったのもひとつの大きな展開であり今回の楽しみでした。幟を持つことで意思表示をするところから、表情でプリンをもっとおいしく撮ってよと示し、挙句の果てにはスケッチブックに文字で「まずそうに撮れてるとまずい」なんて書いたりするんですよね。極めつけは「もう一人のほうの私とも仲良くなれたね?」ですよ。つぐみ先輩となかみ先輩はどこかでつながっていて、でもどこかで離れていて、そういう不思議な間柄であることが見えてきます。そして、河島君にとってもつぐみ先輩となかみ先輩が別の存在へとはっきりと分かれていく、カメラの中の先輩からなかみ先輩へと変わっていくのです。河島君となかみ先輩の関係も注目していきたくなりますよね。
 そして、今回はつぐみ先輩の新たな一面が見えたのも私は好きなのです。プリンが食べたくて食べたくて仕方なくて、プリンのにおいにつられてしまったり、プリンを撮るためのレースカーテンを通したやわらかな光でほんの少し氷の溶けたようなやわらかな表情……凍てつきの女神の氷がすっかり溶けるのもそう遠くないのかもしれません。

3.おわりに

 言葉を綺麗につなぐのではなくもっともっとストレートに表現されていたように感じる一方で、光の使い方、コントラストやグラデーションが凝っていて画面の美しさが前回に続いて新鮮で素敵でした。特にやわらかく見えるようになった先輩は絶対どきっとすると思うんです!
 カメラの中の先輩がなかみ先輩へと名付けられてだんだんとはっきりとした存在になっていく一方で、現像されたフィルムに映っているというシーンがものすごくあっさり描かれていたり、どういう風になかみ先輩が描かれていくのか読めそうで読めないのもまた楽しみです。
 来月は残念ながら休載のようで、今月はちょっと出番の少なかったライカ先輩の活躍も合わせて再来月がもう待ち遠しくて仕方ないのです。
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