タビと道づれ(感想) その3
2016 / 05 / 08 ( Sun ) 00:29:44
たなかのか『タビと道づれ』(コミックブレイド/マッグガーデン)全6巻

『タビと道づれ』感想その3――わたしは私でいいんだ――

1.はじめに

 以前、『タビと道連れ』についてブログを書きましたが、あれから数年が経ちました。あれからも、この作品は私にとってかけがえのない作品であり続けています。幾度も何か書こうと思いながらも、不安に駆られて書きすすめられないことが続きました。
 私生活やブログのことをはじめ、色々と理由があるのですが、久々に軽く何かしら書いてみようと思いました。
 その1では、『タビと道連れ』は「わたしが私じゃなければよかったのに」という第1巻でのタビの台詞が中心となった物語であると書きました。今でもそれは変わりません。今回は、それに続いてこのテーマがどのように締めくくられたのかについて書きたいと思います。

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巻数単位で選ぶ、2015年漫画10選
2015 / 12 / 25 ( Fri ) 17:02:36
巻数単位で選ぶ、2015年漫画10選

1.はじめに

「話数単位で選ぶ、2015年TVアニメ10選」という企画がTL上で賑わっていまして、アニメもですが漫画でもすごく良い作品が多かったですし、今年はいろいろ記憶に残る年でしたので、そういった記録を残す意味でもやってみました。まだ積んだままの作品も随分と残っていますし、正直悩んでいる作品もいっぱいあるので、気分とかで少し変わってしまうかもしれませんが、ひとまずというところで。話数にせずに巻数にしたのは、話数だと雑誌ならともかくWeb掲載などはややこしい場合もあったりしたためです。なお、順番に意味はありません。
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ひとりぼっちの地球侵略(感想) その2
2015 / 09 / 09 ( Wed ) 11:39:07
小川麻衣子『ひとりぼっちの地球侵略』(ゲッサン/小学館)

ひとりぼっちの地球侵略 感想その2 ――心臓、首輪、傷――

1.はじめに

 『ひとりぼっちの地球侵略』について自由に書いていいってなると、おおよそ書きたい方向性としては前回書いたことと変わらないのですが、諸事情であれで書くのはどうだろうと思うことが多くありまして。じゃあほかに何が書きたいかと考えた時に出てきたのが『魚の見る夢』でした。かたや心臓、かたや首輪でどこか通ずるものを感じた記憶があったためです。この作品と合わせて何か作品の魅力を引き出せたらと思い書いてみます。多少どころか大いに時間に限界がありますが、頑張ります。
 今回のブログは『ひとりぼっちの地球侵略』の1巻から8巻までと『魚の見る夢』の全巻のネタバレを含みます。また、『魚の見る夢』を未読の方は、2,4,5,7,8だけ読んでいただいても分かるようにしています。また、本稿はさいむさんのブログに多くを負っていますので、適宜ご参照ください(http://thursdayman.hatenablog.com/)。

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コンプレックス・エイジ(紹介)
2015 / 06 / 28 ( Sun ) 22:33:12
佐久間結衣『コンプレックス・エイジ』(モーニング/講談社)

モーニングで2015年の6月頭まで連載されていた漫画です。単行本は現在4巻まで刊行中です(2015年6月現在)。

この漫画はコスプレをテーマとしています。主人公の片浦渚は26歳の派遣社員で、趣味はコスプレ。マジカルずきん☆ウルルという漫画内の架空のアニメの主人公、ウルルのコスプレに血道をあげています。彼女のコスプレの信念は「完璧」です。衣装のちょっとした柄、素材や、キャラのポーズ、何から何まで完璧にコピーしなければ気が済まないくらいです。そんな彼女が、コスプレの世界に身を置く中で、周囲の目線など様々な問題にぶつかっていきます。そして、その問題と戦っていく物語です。「楽しめ。血を流しながら。」1巻の帯にはこう書かれていますが、まさに「血を流す」ような戦いと、それでも「楽しむ」コスプレへの愛の物語です。

さて、今、「血を流しながら」という帯の言葉を引きましたが、この漫画の魅力はまさにここにあると思うんです。コスプレで完璧を目指す中での苦悩、世間の冷たい目、主人公渚は血を流していく、その姿を徹底的に描いていきます。その徹底ぶりがもう読んでいる方の心をえぐってくるのです。

モーニングの公式ホームページで1話が公開されているのでそれを読んでもらえたらだいたい魅力は分かってもらえると思います。が、せっかくのtwitterなので読んでない方向けに1話のネタバレしつつも書いていこうかと。

1話では大きく3つの事が描かれます。ひとつは渚の完璧主義。ふたつめが理想と現実のギャップ。みっつめが他者という存在です。ひとつめはもう述べました。ふたつめは、長身の渚に対して、コスプレするウルルは「小さくてまんまるくて/わたしが持ってないもの全部詰め込んだ様な」というキャラであるというギャップなどです。みっつめは、そんな渚と違い、何もしなくてもウルルそっくりな人の登場です。
この3つだけで、それはもう心えぐられますが、そんな展開がどんどん押し寄せてくるのがこの作品です。

さて、このみっつですでに作品の主な要素は出そろいます。他者というのがコスプレを理解しない人になったり、理想と現実が年齢になったりと色々ありますが、この作品がどういう作品かはこれでもうわかります。
とはいえ、1巻では渚自身の問題であったものが、だんだんと渚とその周辺の人物や人間関係へと焦点が移っていきます。その中で、コスプレの様々な魅力や苦しさが描かれていきます。当然、コスプレへの強い風当たりも描かれます。「どうして……どうしてわたし達が逃げないといけないの?好きなコトをただ、本気で楽しく、やってるだけなのに」と叫び声を上げることだってあります。これらを、印象的な決めのカットを多用した力強いコマでどんどん描かれていきます。

さて、この作品の魅力は、「血を流し」それでも「楽しむ」姿です。もちろん、コスプレという世界のあれこれについて、基礎知識を学べるという面白さも有ります。ちなみに、巻末にコスペディアという形で、いろんな豆知識があったりするので、是非一読ください。その知識だけではなく、その世界に生きる人々の描写が何よりも胸を打ちます。それは「コスプレは着るんじゃなくて、まとうものだと思ってる―」という美学であったり様々です。特に、いろんなこのTLの方にはけっこうアニメや漫画好きの方もいらっしゃると思います。そういう、趣味を持っている方には絶対おすすめの作品です。1巻の帯にも「好きなものを諦められない、すべての人へ――」とあります。ぜひ、まずはモーニングの公式ホームページで試し読みをしてみてください。
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ひとりぼっちの地球侵略(感想)
2015 / 02 / 20 ( Fri ) 10:54:53
小川麻衣子『ひとりぼっちの地球侵略』(ゲッサン/小学館)

相当久しぶりの更新です。私事でなかなかゆっくり漫画が読めないのです。

さて、『ひとりぼっちの地球侵略』はゲッサン連載で、主人公の少年と地球を侵略しに来た少女とボーイ・ミーツ・ガールです。現在7巻まで単行本が刊行されています(2015年2月現在)。

ある日突然、主人公は仮面をつけた少女に「お前の命を、もらいにきた」と襲われ、心臓を狙われます。この心臓は、かつてこの少女が瀕死の彼に分け与えたものだったのですが、主人公と同化していて取り返すことはできませんでした。
もちろん主人公はそんな事は知らなかったのですが、「宇宙人の強い力を秘めた心臓が同化したことで彼はもう人間ではなく宇宙人の側になった、だから一緒に地球を侵略しよう」と少女から持ちかけられます。
主人公はそれを断りますが、その日彼の家に地球外生命体が乗り込んできて、男手ひとつで主人公とその兄弟を育ててきた祖父を襲います。成す術のない主人公の前に、少女が現われて一緒に地球を征服するなら祖父を救うと声を掛けられます。
主人公はそれを飲み、かくして二人は地球を征服するという目的を果たすため動き始めす。

地球を侵略・征服すると言っても、基本的には少女とは異なる星から来た地球外生命体の地球侵略を食い止める話であり、またそれを通じて二人が絆を深め成長していく物語です。後者の方に重点が置かれているために、戦闘は1巻に1回くらいとそんなにありません。
サンデー系列らしく、落ち着いた筆致で丁寧に二人の姿を描写していくところが魅力的で、序盤からいきなりクライマックスかというほどの盛り上がりを見せます。百聞は一見にしかずとは言ったものですが、一巻いや一話でも読んでみて欲しい作品です。

さて、作品紹介はざっとここまでにして、最新刊までの雑感といきたいと思います。
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